公害病と認定され甚大な被害を及ぼした水俣病発生以降の日本は、水銀測定の需要がにわかに高まった時期でもあります。
加熱気化及び2段階での金アマルガム捕集の技術が現在の親会社であるリガク株式会社の技術者チームによって研究され、化学薬品を用いた前処理を必要とせず、直接かつ迅速な測定を実現した、おそらく世界初の加熱気化水銀送定装置の開発に成功しました。
この装置はリガクSPと名付けられました。
半自動加熱気化水銀測定装置(リガクSP)の継続的な改良により、1978年にリガク株式会社を親会社として、水銀測定装置の開発、製造に特化し、水銀分析を支援する目的で、日本インスツルメンツ株式会社が設立されました。
SP-2
SPシリーズの第2世代としてSP-2が商品化され、販売されました。
RAシリーズ
卓上型還元気化水銀測定装置
ARAシリーズ
水/廃水中の水銀オンラインモニター
PMシリーズ
ガス中水銀の電池式可搬型金アマルガム水銀測定装置
モデルPM-1Aを用いた調査
土壌ガス中の水銀を測定して地熱調査を行うため、現場での測定で使用されました。
PM-1Aは、2017年に再設計および発売されたEMP-Gold+の前身機種でもあります。
別府は国内有数の温泉地で、市内だけでも2,000以上の温泉があります。そこで地熱調査を実施しました。
大分県別府市の九州大学で使用中のPM-1A
1986年:東北地方で使用中のPM-1および改良型PM-1A(よりコンパクトで軽量)
PM-1とPM-1Aは、その堅牢性により、フィールド測定が可能となり、夜を徹して土壌ガス中の水銀データを収集しました。
PM-1Aは、1986年に北海道でのフィールド調査で使用されました。携帯可搬型であるため、自然界中の水銀濃度測定が可能になりました。
超微量レベルの水銀のフィールド測定では、携帯性が非常に重要です。
我々は電池式の金アマルガム水銀測定装置を1986年から手掛けてきました。
冷陰極蛍光灯(CCFL)は、液晶ディスプレイ(LCD)パネルに使用されている通常の蛍光灯と非常によく似たバックライトです。
それらは直線または曲線のガラス管でできており、管の内部は低圧水銀蒸気で満たされています。
これがイオン化されると紫外線を放出します。
表示品質(明るさ)と寿命を決定する上で水銀の含有量レベルの管理は非常に重要でした。
1980年代から1990年代にかけて、家電製品に使用される高品質で高性能なLCDの需要が急増しました。
このバックライト製造における品質管理目的のため、主要なCCFLメーカーと共同で、モデルTMシリーズが開発され、面倒な従来の湿式分解による化学プロセス管理方法に取って代わる、冷陰極蛍光灯(CCFL)品質管理用のコンパクトな卓上型加熱気化水銀測定装置が誕生しました。
三原山での調査
火山地域近傍には常に微量の水銀が放出されています。 PM-1Aを背負い、1年前に噴火した活火山の火口に向かい、放出された火山ガス中の水銀濃度レベルのモニタリングを行いました。(三原山、1988年)
SP-3D
完全自動化された第3世代SP(モデルSP-3D)
MA-1
卓上型加熱気化金アマルガム水銀測定装置(MAシリーズ)
AMシリーズ
卓上型連続金アマルガム原子吸光空気/ガス中水銀測定装置
RAシリーズ
20検体オートサンプラーを搭載した第2世代RAシリーズ
PMシリーズ
モデルPM-2
新世代電池式可搬型
金アマルガムガス中水銀測定装置
WAシリーズ
モデルWA-3
新しい卓上型金アマルガムガス中水銀測定装置
ARA-5
水/廃水中水銀濃度測定用オンライン水銀モニター
キャビネットに取り付けられたARA-5
EMシリーズ
卓上型労働環境空気中水銀モニター
SP-3D
ナフサ中水銀測定方法として公定法UOP938-95に認証されました。
19世紀
世界最大の熱帯雨林であるアマゾンは、その生物多様性で有名です。広大なアマゾン川を含む何千もの川が交差しています。
アマゾンには、多様な生物以外にも、金を含む多数の鉱物や貴金属の鉱床が存在しています。ゴールド・ラッシュによって、金の精錬過程で水銀を使用する数えきれない数の技術者や、小規模金採掘(ASGM)に携わる職人がアマゾンに集まってきました。
そしてこれは現在でも、アマゾンの水界生態系における水銀汚染の主原因となっているのです。
PM-2は、熱気球に固定され、さまざまな高度で空気サンプリングを行い、ブラジルのアマゾン盆地にある、水銀で汚染されたASGMサイトからの水銀のガス放出分布を調査しました。
測定調査地点に到着するには、45時間以上の飛行(乗り換え含む)と、さらには18時間以上アマゾン川でボートに揺られる、“リバーサファリ”を経験する必要がありました。
さらに、PM-2を大気中に持ち上げるための気球を膨らませるには10本以上のヘリウムガスが必要だったため、非常に面倒な輸送の手配をしなければなりませんでした。
このように、アマゾンでの調査には多大な労力が必要だったのです。
SP-3D(UOP938-00認証取得)
ナフサおよびその他の液体炭化水素中の総水銀の測定用に再検証されたモデルです。
SP-3D(IFP 9606認証取得)
フランス石油研究所(IFP)によって正式に認証され、液体炭化水素中の総水銀の測定用に採用されたモデルです。
EM-4
労働環境空気中水銀濃度測定用に新世代の卓上型水銀モニターEM-4発売
EMP-1A
改良版電池式携帯型水銀測定装置EMP-1Aを発売
WA-4
ガス中水銀濃度測定用にコンパクトな卓上型金アマルガム水銀測定装置WA-4を発売
DM-5シリーズ
煙道ガス中の新シリーズの連続排ガス中水銀モニター(CEMM)発売
RA-3000
60サンプル用オートサンプラーを搭載した第3世代RAの導入
納入作業は、NICの創設メンバーの1人である谷田幸次のサポートによって行われました。
加熱気化装置の熱分解炉から発せられる熱は、オタワの凍えるような冬でも私たちに暖を与えてくれました。
MA-2000
40検体用オートサンプルチェンジャーを搭載した、加熱気化水銀測定装置MAシリーズの第2世代発売
TM-3A
冷陰極蛍光灯(CCFL)用の新世代卓上型熱気化水銀測定装置発売
RA-3420
AM-4
ガス状マトリックス中の水銀濃度測定用
新しい卓上型連続金アマルガム還元気化水銀測定装置
EM-5
労働環境空気およびその他のガス中水銀濃度測定用
改良および拡張されたアプリケーションを有する卓上型水銀モニター
PE-1000
新シリーズ
全自動加熱気化原子蛍光
石油中水銀測定装置
RA-3320FG+
超微量レベルの液体中水銀測定用
RAシリーズの原子蛍光水銀測定装置
MA-3000
第3世代MAシリーズ
100検体用のボートチェンジャー搭載
加熱気化水銀測定装置
EMP-2
全く新しいデザインコンセプトによる、操作用のタッチスクリーンを備えた携帯型水銀測定装置
第2世代EMPシリーズ
AM-5
空気中水銀濃度測定用
新しい卓上型連続金アマルガム原子蛍光水銀測定装置
RA-4000Aシリーズ
原子吸光検出器を備えた新しいコンセプトのキャビネット型卓上還元気化水銀測定装置
これは、2013年10月に開催された水俣条約会議期間中での、水俣病国立研究所(NIMD)とのコラボレーション企画の際の写真です。
この国際会議のために世界から外交官と関係者が熊本県に集まり、水銀規制に関する世界条約に署名しました。
水俣市と博物館を訪れるすべての訪問者を対象に「水俣病の発祥の地」を見学するためのフィールドワークが企画されました。
また、毛髪中水銀の分析は、自分自身の水銀含有量を知りたいと思っている訪問者のために企画され、このイベントのために合計8台の加熱気化水銀測定装置MA-3000が配備され、NICのスタッフが分析または毛髪採取の手伝いをしました。
すべての訪問者に水俣市訪問の素晴らしい経験を味わっていただき、日本文化、日本という国、そこに暮らす人々の暖かいおもてなしを体験していただくことが私たちの目的でした。
SGM-8
京都大学との連携による、SGM-8を使用した焼却炉排出ガスからの水銀測定
EMP-Gold+
産業技術総合研究所(AIST)との連携による、EMP-Gold+を使用した熊本県阿蘇市の地熱エネルギー探査
RA-4300FG+
USEPA1631eに準拠
原子蛍光検出器を備えた新しい卓上型水銀測定装置
SGM-8
多用途のフィールド用
携帯型リアルタイム煙道排ガス排出水銀モニター
EMP Gold+
京都の埋め立て地での水銀測定
RA-5シリーズ
新しいモジュール型コンセプトの卓上型還元気化水銀測定装置
EMP Gold+
ガス中水銀濃度測定用
小型かつ携帯可搬型の電池式金アマルガム水銀測定モニター発売
MA-3 Solo
いつでもどこでも使用可能
MA-3 Soloを小型のマニュアル測定用加熱気化水銀測定装置として発売
タイの寺院遺跡群でのMA-3 Soloを用いた屋外測定時の写真です。たまたま緊急で分析する必要があり、私たちは寺院遺跡の電源を借りて、測定値のチェックを開始しました。この結果は1時間以内に得られ、装置の信頼性と多用途性が証明されました。
EMP-3
デザインと機能が改善された第3世代EMPシリーズ
SGM-9
煙道排ガス中水銀測定用の第2世代SGMシリーズ
EMP Gold+
新しい第3世代のEMP-3検出器を備えた、コンパクトなフィールド携帯型電池式金アマルガム水銀ガスモニターの改良版
EMP Gold+を使用したフィールド水銀モニタリング。
マレーシアのケバンサーン大学の大気研究者ShahrulNadzir博士と共に焼却炉エリア近くにて。